【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
杏がドアを蹴り飛ばす1時間前…



あたしはようやく新幹線を降りた。泉達はもしかしたら手掛かりを持ってるやつが分かるかもと、楼帝の倉庫へ今から向かうらしい

あんまり大ごとにならんとええけど

あたしも後を追おうとした時、電話が鳴る。志木だ


「もしもし?」

『あ、杏様。あの…拉致したやつの正体が分かりました』

「ん?楼帝の新人のやつやろ?桃香ってやつのお兄ちゃんの」

『そ、そうなんですけど…よく調べると…えっと。』


志木が言いにくそうにもごもごする。ハッキリせんかい!そう言うと、驚くことを言ってきた



『楼帝のその新人ってのが、池田みたいです』


「え?池田って、あたしと志木が知ってるあの池田?」


嘘やろ?そんな偶然ある?


『あの池田っぽいです。それに池田と分かれば居場所も…わかりました』


なんか頭回らへんわ
志木から場所を聞いて地図で確認

そんなに遠くないしら30分くらいで着きそう


泉達にも場所ゆうてもええねんけど…


池田は、関西での…薔薇でのあたしを知ってる人物やから
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