【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
振り返る桃香は、池田に少し似ていた
まさか妹いたとはな
「誰よあなた」
「あんたが監禁してる男の友達や」
「は?どうやってここが!」
こっちにくるなと、近くのホウキを持つ桃香
「怪我すんで、やめとき」
怪我させるのはあたしなんやけどな?!特に害なさそうやし、さすがに手だせへん
ホウキを取り上げて桃香の首根っこを掴む
「離しなさいよ!警察呼ぶわよ」
「ほー?呼べるもんなら呼んでみぃ!あんたらの監禁の方が罪に問われるで」
グッと口をつぐむ
なんでこんなことしてしまうかなー
桃香を引きずり回して、慧の部屋にたどり着いて、ドアを蹴り飛ばした
「杏ちゃん!?」
驚く慧に、震える池田
はぁ
桃香をポイっとして慧に近づく。その間池田は、口をパクパクとしていた
そらな?びっくりするよな?
あたしが死んだと思ってるはずやしな
でも今はまずは慧や
可哀想に。ロープがめり込み腕と足に跡が付いている
「杏ちゃん?1人で来たの?」
戸惑う慧に微笑むしかできなかった