【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

いや…俺でも怖いからやめて？

「杏ちゃん？俺が話していい？」

もちろん！
コロリと笑顔になる杏ちゃん
怒られさないようにしなきゃ。俺はこのとき心に誓った


「桃香ちゃん。俺君に何かした？」

ブンブンと首を横にふる

「だよね。俺結構チャランポランなところあるけど、君には手を出してないよね」

「だから！手を出してくれなかったから！あたし好きだったのに。慧さんは女の子なら相手してくれるって聞いたのに！」


……えらい噂が流れてるんだな
これも自業自得


「女の子が、自分に手を出して欲しいなんて言っちゃダメだよ。そんな自分の価値を下げちゃいけない」


これは俺自身にも言えることだ


「俺は今、誰も好きた人がいないんだ。遊んでる女の子たちも全員もう連絡を取ってなくて。だから、桃香ちゃんが良ければ、友達になろうよ」


彼女は無理だけど、友達ならね


桃香ちゃんは涙を流して、うんと言ってくれた


はぁ、疲れたよ


「うん！ちゃう！した事には責任を持たなあかん」

ん？杏ちゃん？