【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
なにが起こったか分からなかったが、転んでないことは確かだ


「杏?大丈夫か?」

「う、うん。ぼけっとしてた」


泉は駆け寄ってきた。そして助けてくれた人にお礼を言おうとチラリと見ようとするが、泉にそれを阻止される


「失せろ、赤井」


???


「やだなー!女の子が転びそうだったから助けただけですよ」


…?赤井?


「失せろ」


「まーまー。泉先輩、そう怒らないで?あ、今は僕が3年生であなたは2年生だから、僕が先輩かな?」


不気味なやつ。なんか嫌なオーラがする
あれ?女の子にも嫌われたかな?そう笑う

杏いくぞ

手を引いて廊下を歩きだした。


あたしが間違ってなければ、あの人がぶつかってきた。
ほんで助けてくれた。


意味分からん


「あいつは俺が2年の時に入学してきたやつだ。北蓮見で烈火より強いチームを作ろうとしてる」


「あいつ、あたしのこと転かした。けどそれまで近くにいるの気づかへんかった」


なんか厄介な感じやな


「怪我ないか?すまない。ちゃんと隣を歩く」


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