【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
赤井はニヤニヤしている。
こいつは本当に甘く見てはいけない
なかなか切れるやつだ
赤井のその問いに杏は、またも挑発して返答する
「あたし、総長が自分より弱いチームとか入りたくないねんけど」
意地悪そうに笑ってみせた
はぁ。このままじゃこの部屋で喧嘩が始まる。どうしてこうも、血の気が多いのか
赤井も珍しく胡散臭い笑顔が崩れている
「帰るぞ」
「へーーい!」
気だるそうにそう答えて立ち上がり部屋を出る。
こりゃまた全員を敵に回したな
当の本人は満足そうだが
「杏、赤井には気をつけろ。小汚いやつだから」
そう。赤井は汚いやつだ
だから烈火に加入は認めなかった
赤井が1年になって、烈火に入りたいと俺に頼みこんできたあの日
俺は、赤井に嫌な感じを覚えた。何がと言われるとピンとこないが、総長の勘とでも言おうか
赤井は烈火にいれちゃダメだと思った
だから断った
そして赤井は自分でZAQというチームを作り上げた。烈火に対抗するために