【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「杏は、何か用事があると先に帰った」
「えー?1人で帰らしたの?」
「急に走って学校飛び出したんだ。拓也は付けているけど…」
本当に杏は、心配だからと、1人で行動するときに、誰か付けようとすると嫌がる。
たしかに杏の強さならちょっとやそっとの事なら大丈夫だが
そっちの心配よりも、何かトラブルに自ら突っ込んで行きそうで怖い
拓也いるなら大丈夫か。慧もそう言い、そろそろ倉庫へ向かう
「あ、どーだった?委員会」
……どうって
「杏が他のチームのやつ挑発しまくって終わった」
はぁ
今日は様子みるだけのつもりだったのに、がっつり杏は煽っていた
「バカだな、杏は。誰にでもすぐ喧嘩売る癖どーにかした方がいいな」
…お前もだよ
と言うのはやめておこう。朔も杏くらい、すぐ喧嘩を売る。朔は手も出すから困ったもんだ
用事だと言った杏は、なんの用事かは聞くな!と言いたげに手のひらをこちらに向けて、ニヤリと微笑んでいた
自由演技を任せろといったが…
なんか嫌な予感するな…
鞄も、持って帰れとパシられるし。まぁ…杏だしいいか