【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


「あー…今年は杏がいるのか。お前後ろから刺されないようにしろよ」


突然朔が言い、体が固まる


「もう!なんでそんな脅かす言い方するんだよ!杏、大丈夫だかんな?」


響が慰めてくれる。うぅ。いい子
それにしても、刺される可能性あるのは困るな
常に気を張ってなきゃいけないじゃん


「そうですね…過去3年のデータを見ると、北蓮見の女子生徒が原因不明の怪我をしていますね。きっと野次馬のうるさいバカ女のせいでしょうけど…杏も気をつけてください」


新は後ろを振り返りあたしに教えてくれる。でも、聞きたくなかった

何されるんや、あたし


新のバカ女ってゆうパワーワードは流しておこう



「大丈夫だ。そんなことはさせない。したら殺す」


…泉さん?顔怖いで?

まぁ、あたし女の子に負ける気は1ミリもないし大丈夫やと思うけど、変なことに巻き込まれへんかったらええな


学園祭のこの日だけ、全校生徒は学校指定の体操服を着る


なんでこんな時に一致団結しとんねん



「お前ら、絶対勝つぞ」



我らの総長の掛け声で、北蓮見が揺れた
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