【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「あ、杏ちゃん!」
「久しぶりですね、蓮太郎さん」
理事長が楽しそうにモニターを見ていた
あたしの話を聞いて、蓮太郎さんはトランプをもう一箱持ってきてくれた
「ありがとう、助かるわ」
「烈火大丈夫?負けそうだけど」
「…大丈夫やで。烈火はここからや」
そう。こんな感じで負けささへん
「杏ちゃん、ハートのエース…折れ目ついてないでしょ?」
「あ、バレた?」
蓮太郎さんよう見てんなぁ
「でもこれ秘密やで?赤井に一泡吹かせたいだけや」
あたしの言葉を聞いて蓮太郎さんは、何かするの!?と目をキラキラ輝かせている
これは、チクられへんな
「まぁみといて。あいつらの顔おもろなるで」
予備のカードを持って朔の元へ戻る
その頃には、手札が揃い、その場でのポイントの賭け数があがっていた
誰か吊り上げてんなぁ
「お前急にどっかいくなよ!」
「ごめんごめん。ちょっとな」
絶対あのシャッフルだけじゃない。イカサマは…
そして気づいた
ZAQとスカルの奴ら…組んでるな