【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
囚われた姫
朝まで倉庫でどんちゃん騒ぎ
よう笑って泣いた日やった
嫌な夢見ると思ったけど、そんなん忘れるくらい楽しかった
そして…
「頭いった…」
悪酔いや…
もうすぐ20歳やけど、一応な、法律あるしお酒は飲んだらあかん…けど
昔はよう薔薇のみんなでふざけて飲んでた
最近は全く飲まない
だから今日は久しぶりやし頭が痛い
「うげーー気持ち悪」
久しぶりの感覚に眩暈を覚える。みんなはまだ床で死んだように寝ている
泉は、お酒飲んでても顔色は全く変わってなかったけど…スヤスヤと眠ってる
寝返りを打ち、泉の長い足が、眠っている朔にぶつかる
うっと声を出したが、起きる気配はない
こりゃ…誰も学校いけへんなぁ
一応今日は平日やし学校行かなあかん
でもだーーーれも起きる気配ない
「なぁ、泉?みんなサボるん?」
身体を揺するが起きない
肩をぐーで殴ってみるが、ビクともしない
「なんやねん、肩になんかいれてんの?」
拳が痛い。
筋肉なのか、ガチガチだった。