【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
俺じゃダメかって何や
もぞもぞ動くと、少し腕の力が緩んだ
ぐいーーと泉の腕を伸ばし押し上げると、泉の腕から逃れられた
朝から疲れた
あたしはソファで寝てたけど、腰が痛い。少し熱気のこもる倉庫の扉を開けて外の空気を吸う
「暇やし学校いこかな」
学祭の次の日やで?賞金でる日やで?気になるやん。あたしだけか、ソワソワしてるん…
荷物を持って外へ出る
風呂入りたいし、家帰るか
まだ朝の6時過ぎ
外に出ると人も車もあまり通っていない
タクシーを呼ぶ
家まで車で15分くらいやし…
ここに引っ越して来てから、タクシーは何回も呼んでる。
携帯に志木の次に登録したのは、個人タクシーのおじちゃんの番号だ
「もしもし?杏です。あーはい。場所は近くのコンビニまで行きますし…はーい。A区です」
近くのコンビニまで歩こう
ほんで家帰って、シャワー浴びて学校に行こう
しまいには、みんな起きたら来るやろう
キキーッ
ブレーキの音が突然鳴る
……