【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「泉?起きてください」
思いっきり顔を叩かれる
いてぇ…
目を開けるとそこには新が…
周りを見ると新以外のみんなはまだ眠っているようだ
「なんだ?どうかしたか?」
じゃっかん頭が痛い…
床で寝ていたからか身体中バキバキで、ぐーんと背伸びをした
「杏がいません」
「は?」
パッと見渡すと、昨日寝かせたはずのソファーに杏はいない。トイレか?そう思ったが新は首を横に振る
携帯を見るが何も着信はない
「…今何時だ?」
杏は早起きだ。体内時計がしっかりしてるから、いつも通りの時間に起きてるだろう
いくら酒飲んだとしても…
「今は7時前です」
杏はいつも6時くらいに起きる
1時間も経ってる…
「おい、こいつら全員叩き起こせ」
杏の携帯に電話をしてみるが、コール音が鳴るだけで応答はない
家帰ったか?
いや、それなら電話にも気づく?
そしてふと気付いた
服から杏の匂いがする…
さっきまで、近くにいた?
「ねぇ、泉なに?今日は休もうよ」