【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
ボソッと呟いた自分の声に、まさかの返答があり、心臓が飛び出てしまうくらいに驚く
パッと振り返るとまたも、上半身裸でタオルで頭を拭く泉がそこにはいた
「全く気配せーへんかったのに」
あたしが気づかないなんて…
「ん、あぁ脱衣所で寝てた」
え…大丈夫かいな…それで静かやってんな。
すまない。汗掻いたから借りた
そう言い、あたしの隣に腰かけた。
風呂上がりのいい香り…
って!!!!
「ガーゼは?とって大丈夫やった?足は?腫れ引いてる??」
まっさらぴんで出てきた泉の傷口をみる
「あー…おでこ傷残らんとええけどな。てゆうか、あんた再生能力凄いな!もう塞がりかけてるやん。あ!足は?見してみ?……腫れてるけど、昨日より痛みはマシ?」
泉の足をグイッともち、腫れている足を眺める
額の傷ももう一度見ようと、泉の顔に近づくと…
「んぎゃ…何すんの!」
思いっきり顔を押しやられた
なんでや…酷い
「アホか!見えへんやろ!傷残ったらどーすんの!」