【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

「さんきゅ」

泉はおでこを触りながら足を動かしている。
満足いったのか少し口角があがっている。

さてさて
他のみんなは明け方帰ったようだ。
泉はしんどかったんかな?まぁ顔色も良くないし…

その時あたしの腹の虫が鳴った


きゅるるるるる…


恥ずかし!!!

昨日カレーを6等分したし、量少なかってん!それでや!
なんとも情けない音が静かな部屋に響く


「… 腹減ってんの?」

「そ、そうみたいやな」

お腹をさすさす撫でる。冷蔵庫なんかあったかなー
昨日カレーの材料だけ買って、すぐスーパーから帰ってしまったし。

今日はバイトもないから、外に出るの嫌やな


すると泉はキッチンへ消えていった


泉もお腹すいてるんかな?
パン屋とか行ってこようかなーなんて思ってると、かちゃかちゃと音がなる。

対面キッチンになってるので、チラッと覗くと、なんということでしょう!!!


「え、泉…料理できるん?」


キッチンには似合わない男が料理をしている(失礼)


「昨日のお礼」


そう言ってそこから喋らなくなってしまった
< 54 / 425 >

この作品をシェア

pagetop