【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
ま、いいや。待っとこ


リビングの椅子に座り携帯を触る。

あ…志木や

『杏様お変わりないでしょうか?しっかり学校へは行っていますか?』

志木らしいLINEが届いていた。

『元気やで!学校も行ってるで』

送信っと


怪我人家にかくまったり、学校行ってなかったり…そんなこと言ったら、きっと志木なら、走ってでもコッチにくる


あんまり心配かけさせると、将来志木が、ハゲてしまう気がする。
ハゲたらあたしのせいや


もちろん志木以外からは誰からも連絡は来ない


あたしのLINEの友達は志木だけ


え?可哀想?友達少ない?
せやなー。でもあたし、関西出た時に、志木以外と関係を絶ってるから。

これでええねん。


カタン


机に音がして、そっちを見ると


「美味しそう!フレンチトーストやん!」


なんとまぁ、冷蔵庫をパッとみて作ってくれたのはフレンチトースト。
よく冷凍していたパンを見つけたな


「泉は?食べへんの?」

「俺は…甘いの苦手だから要らない」


あら、勿体ない。てゆうか、ほんまにあたしのために作ってくれたんやな
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