【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「珍しいな、泉。このクラスの出欠状況が気になるのか?お前も成長したな」
「うるせぇよ。今なんて言った?峰岸って言ったか?」
ドクン
「ん?あー、峰岸ちゃん?転校生だぞ」
ここまで偶然が重なることなんてあるのか?
峰岸って…
「杏ちゃんの苗字じゃん」
慧も困惑した表情。
「待てよ、神田!転校生なんて初めて聞いたんだけど!もう二年生始まって2週間以上経ってんだけど」
そうだよ。まさか、今日決まったのか?
そんな…転校生って…
「何言ってんだ!始業式の日に俺は伝えたぞ!峰岸 杏ちゃんって言う、可愛い女の子がこのクラスに転入してくるから、仲良くするようにって」
はーーーーーー?
聞いてねーよ!周りもザワザワする。
始業式って……
俺ら黒蛇と喧嘩してた日じゃん
泉はガンと机を蹴り教室を出てしまった。まさか…このクラスだとはな。
「なんでこんなクラスに女を入れるんだよ。俺らが言うのもなんだけど、可哀想じゃねーの」