【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「ん?」
「いや、泉に昔、俺は寂しそうって言われたこと思い出してさ」
俺そんなこと言ったか?と首を傾げている
その時、どうしようもない程に泣きたくなった
この怒りや辛さは…寂しいからなのかって
だから俺は
なんとなくだが、あの女も同じ気持ちになったんだろうなと思う
泉が言うなら、あいつは哀しそうだったんだ
「ま、黒蛇と帝王とぶつかるのもあと1週間だ。それが無事終われば、もう気にすることもないだろ?」
「…あぁ」
泉が消したタバコは、まだほんのりと火が残っていた
ゆっくりと… 燃える
「とりあえず、拒絶されても護衛はするんだろ?」
「あぁ。そのつもりだ。黒蛇の動きもまだ読めないから。警戒してくれ」
はーーーいよ
それでこそ俺たちの総長
「教室戻るぞ!神田に連れて来いって言われてたの忘れてた」
残り少しなら授業うけれるだろ
赤点とるのも嫌だしな
俺はバカだから必死だけど、新と慧はこの学校の問題は余裕らしい。
泉なんて、同じ授業3回目だからな