【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
その時携帯が震えた
そこには志木の名前が…
「なに?」
『杏様、おはようございます。ご無事でスカ?』
「え?無事やけど、なんで?」
『いや…連絡が返ってこないんで』
あ、そーいや昨日のやつ無視してたな
「ごめんごめん。でも過剰になりすぎやで。あたしは大丈夫。平和にやってるよ」
『今から学校ですか?』
「うん、そーそー!ご飯食べてた」
…ごめん!嘘つくけど許せ、志木
『あの…杏様?』
「なに?」
『蘭様の手術が無事終わりました』
「あんた、それが本題やろ?」
『すみません…』
「で、あの人はすぐ退院するん?あたし帰ったほうがええやろか」
『いえ。ちゃんと留学していると伝えています。』
「助かる。巻き込んでごめんな、志木」
『あなたが決めた事なら、私は何でも手伝います。いつでもあなたの味方ですから』
「ふふ。ありがとう。なぁ志木」
『何でしょう?』
「あの人はあたしの話してた?」
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