【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
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朝から甘ったるい匂いのする店の周りをウロウロしている。俺これ不審者扱いされそう…

あの女は、俺らと居た時より、数百倍笑顔だ。

なんだよ。笑えるじゃん


杏ちゃんまたねーと店から出て来る客が大勢いた。ふーん

なんか意外

それが俺の感想


向かいの本屋で時間を潰しながら、時々店を覗いて…周りも見てみたが、特に何もなさそう

夕方の泉とのバトンタッチで帰るかな。

なんて考えてると、時間よりも2時間も早く泉がきた。


「はぇーじゃん」

「ん…なんか…わかんねーけど嫌な予感がした」


そう言う泉の目は烈火の総長の目だった
俺も、警戒しよう

そして泉がきて2時間ほどは何も起こらなかった。チラリと泉を見るが、来た時と変わらず、鋭い目で店付近を見ている


こりゃ…なんか起こるな


そう確信した時、それは起こった



「あいつ…」

泉はそう言い立ち上がる。あれ?誰だ?
「俺をバッドで殴ったやつがいる」

なんと。珍しい。顔覚えてたんだな


泉の後に続き店に近づく

どうやらなにか、探しているようだ
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