宇宙で一番☆幸せな政略結婚
4章
式も終わり、竜太も聖香もホッと一安心していた。
「やぁ、無事に終わって安心したよ」
宗一郎が竜太と聖香の傍にやって来た。
「本当に、君には感謝いっぱいだよ。言った通り、とても綺麗な人でびっくりした」
「本当に。聖竜より年上には見えないですね」
「そうですよ。私の自慢の娘ですから」
と、言って宗一郎は小切手を竜太に渡した。
「これ、約束の融資。大切に使ってくれよ」
「ありがとう」
小切手を受け取り、竜太は内ポケットにしまった。
「そう言えば、あるとさんにはお姉さんがいると聞いてましたけど。今日は、いらっしゃらなかったのですか? 」
「すみません、あるとの姉は病気静養中ですから来られなくて。義理の母は、5年前に病死しておりますので、私だけになりました」
「そうでしたの。そうとは知らず、失礼しました」
「お気になさらず。では、私はこれで失礼します。娘の事、よろしくお願いします」
宗一郎は仕事がある為、早々に帰って行った。
結婚式も無事に終わり。
いよいよ、聖竜とあるとの新婚生活が始まる。
住まいは同居になり、2階が聖竜とあるとの新居としてリフォームされていた。
キッチンもバスルームもトイレも全て揃っていて、2階へ直接行けるように玄関も作ってある。
聖竜が仕事ができるように、書斎もあり、あるとは1人で過ごせるように部屋も用意してある。
寝室は別の部屋で用意してあり、そこにはフカフカのダブルベッドが置いてある。
窓は南向きで日当たりも良い。
寝室にはクローゼットもあり、着替えも置けるようになっている。
今日の夜は結婚式のお祝いもかねて、ご馳走が用意されていた。
杉森家にはお手伝いがいて、食事の用意や掃除洗濯は全てしてくれる。
豪華な料理に、あるとはちょっとなれない顔をしていた。
食事が始まっても、あるとはあまり喋ろうとしない。
何か聞かれると、小さめの声で答えるだけだった。
今日はお祝いも兼ねているため、一緒に食事をしたが、明日からは別々で食事をすることになっている。
あるとは仕事を辞めて、専業主婦になった為、家事全般はやる事になっている。
子供が出来ればまたお手伝いさんにお願いすればいいと、竜太は言った。