宇宙で一番☆幸せな政略結婚





 食事が済んで。


 2階の新居へ戻った、聖竜とあると。


 1階からも2階へは行けるようになっている。




 2階のリビングには、ソファーとテレビが置いてあり、キッチンには食器棚と食卓テーブルと椅子がある。


 何もかも揃っているため、生活は一通りできるようになっている。



 
 聖竜はお風呂の準備をしてくれた。

 給湯になっていて、設定すればお湯が溜まり教えてくれる。


「お風呂、もうすぐ溜まるから。先に入っていいから」

 ソファーに座っている、あるとに聖竜が言った。

「私は後で構いませんので、先に入って下さい」

 小さな声で答えるあると。

「わかった。じゃあ、先に入って来る」


 聖竜はバスルームに向かった。


 あるとは俯いて、少しため息をついた。




 

 しばらくして、聖竜がお風呂から出てきて、入れかわりにあるとがバスルームに向かった。



 1人お風呂に入って、ほっと一息つくあると。

 今日は結婚式もあり、疲れを感じていたあると。

 でもあるとは、先日の事が気にかかっていた。

 顔も覚えていない、記憶がないまま、誰かと一夜を共にした感覚だけはある。

 あの夜の人は誰だったのだろう?


 思い出したくても思い出せないまま、結婚式を迎えてしまい、あるとは雪森から杉森あるとになった。


 なんとなく体が喜びを覚えているのだけは、あるとにも判る。

 でも二度と会えない人。


 飲み屋で誰かと飲んでいた事は、何となく思い出せたが、相手の顔がどうしても思い出せない。


 忘れてしまうくらい飲んでいたのだろうか?

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