宇宙で一番☆幸せな政略結婚
「あ、おはよう」
まだパジャマを着ている聖竜が、あるとに挨拶をした。
「おはようございます。すみません、寝すぎてしまいました」
「気にしないでよ。早く目が覚めたのは俺の方だから。冷めないうちに、食べてくれ」
あるとが食卓に座ると、聖竜はお茶を入れてくれた。
向かい側に座って聖竜も食べ始めた。
いただきますと、手を合わせて食べ始めた、あると。
お魚も、卵焼きも温かくてとても美味しくて、あるとは嬉しくなった。
嬉しそうな表情で食べている、あるとを見て、聖竜は喜びを感じた。
朝食が済んで、聖竜が仕事に行くと、あるとは後かたずけを始めた。
「朝ご飯・・・初めてたべたかもしれない・・・」
嬉しそうに呟くあると。
専業主婦になったあるとは、家事全般をこなしていた。
洗濯物と言っても、2人分の洗濯物はそれほど量はない。
ただ、あるとは父親以外の人の男性の下着を洗うのは初めてで、ちょっとだけ恥ずかしそうだった。
家事をこなして一息つく、あると。
すると携帯電話が鳴った。
鞄の中に入れっぱなしだった携帯電話。
充電は半分になっている。
着信表示は「大好きな人」と表示されている。
「大好きな人? 」
その表示を見ると、あるとの胸は大きく高鳴った。
「はい・・・もしもし? 」
(あ・・・繋がった、良かった・・・)
誰? と思ったあるとだが、声の感じに何だか聞き覚えがあるような気がした。