宇宙で一番☆幸せな政略結婚

(もしかして、忘れちゃった? 一週間前だけど、一緒に飲んだけど)


 そう言われて、おぼろげに思いだしたあると。

 顔は思いだせないが、なんとなく声に覚えがあるような気がして、嬉しくなった。


「ごめんなさい。あの日、かなりお酒を飲んでいて。良く覚えていなくて・・・」

(あ、そうだったんだ)

「はい、でも声に何となく覚えがあるような気がします。あの時は、一緒に飲んでくれて有難うございました。退職したお祝い、一人でしてたのですが。まさか、誰かと一緒にできるなんて夢みたいで。・・・携帯番号、交換していたんですね」

(うん。でも、なかなかかけれなかったんだ。ほら、結婚するって話ししてただろう? その準備があったから。君は、もう結婚したのか? )

「はい。昨日、結婚式が終わりました」

(そうだったのか。おめでとう。俺も、無事に結婚したから)

「そうなんですね。おめでとうございます」

(ありがとう。お互い、幸せになろう)

「・・・そうですね。・・・もう、怯えるものが無くなったので。それだけでも、幸せだと思って行かなくてはと・・・」

(怯えるもの? )

「あ、いいえ。何でもありません。・・・電話、有難うございます。何だか、元気もらえて嬉しいです」

(俺も嬉しい、君の元気な声聞けたから)

「元気をもらったのは、私です」

(ねぇ、これからも電話しても構わない? 結婚生活を邪魔する事はしないから)

「いいですよ、電話くらいなら」

(分かった。じゃあ、またかけるから)

「はい。これからお仕事ですか? 」

(ああ、そうだよ)

「頑張って下さいね」

(ありがとう)

「それじゃあ」

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