宇宙で一番☆幸せな政略結婚
午後。
あるとが買い物から帰って来ると、庭で掃除をしているお手伝いが数名いた。
中年くらいの年増の女性達。
「ねぇ、聖竜坊ちゃまの結婚相手。どうやら年上らしいわよ」
「え? そうなの? ちょっと年かな? って見えたけど年上だったんだ」
「なんでも33歳らしいわ」
「33歳? じゃあ、早いとこ子供産まないと、やばいんじゃないの? 」
「まぁね。でも、なんで坊ちゃん、あんなオバサンと結婚したのかしら? 」
「そうよね、もっと若くて綺麗な人。沢山いるじゃない? 」
「何だか暗い感じだし。あれ、絶対モテないタイプじゃない? 」
「そうそう、背が高いし髪も短いし。男と間違えられそうよね」
「30歳越えても、結婚してなかったんだから。なんか問題でも、あったんじゃないの? 」
「お父さんは、有名な弁護士さんらしいけどね」
「あの人は何している人だったの? 」
「さぁ、何もとりえなさそうだけどねぇ」
遠くにいたあるとだが、偶然聞いてしまったお手伝い達の悪口に、ショックを受けなかったわけではなかった。
だが、言われても仕方ないからと思って、我慢した。