宇宙で一番☆幸せな政略結婚
「そっか。じゃあ、俺も一緒に手伝う」
「え? 」
「だって、初めてなんだろう? 作るの」
「はい・・・」
「じゃあ、作り方知ってる人が一緒の方が分かりやすい。本もいいが、料理は実践が大切だって俺は思うから」
言葉は淡々としているのに、何となく優しさを感じる聖竜。
料理もできるし、家事もこなしてしまうくらいだ。
相当、女性にモテるタイプだろう・・・と、あるとは思った。
キッチンで、一緒にハンバーグを作っている聖竜とあると。
ぎこちない手つきで、ミンチを混ぜているあると。
手際よく玉ねぎを刻んでいる聖竜。
飴色になるまで玉ねぎを炒めてくれる聖竜。
ハンバーグの形が出来てくると。
「焼くのは俺がやるから」
と言って、聖竜が焼いてくれた。
さりげなく、あるとが火を使わないように気を使ってくれている聖竜。
聖竜がハンバーグを焼いてくれている間に、あるとは野菜を切ってサラダを作った。
レタスときゅうりとトマト。
盛りつけも綺麗にできた。
ハンバーグが焼けて、晩御飯が出来上がる頃、時間はもう19時を回っていた。
「ちょうどいい時間い出来上がったな、野菜の盛り付けもとっても綺麗だ」
2人で食べるには、ちょっと多い量になってしまったが、協力して作った晩御飯は、なんだかとても美味しそうに見える。
「おーい。聖竜」
竜太がやって来た。
「お? ハンバーグか? 」
「父さん、どうしたの? 」
「いや、今日はお手伝いさんが早退してしまったんだ。だから、今から聖香と外食でもしようと思っていたんだが。なんだか、いい匂いがしてきたんでね」
「そうだったんだ。あ、ハンバーグでいいなら沢山あるから食べる? 」
「おお、いいね。聖香も呼んで来ていいか? 」
聖竜はあるとを見た。
一瞬きょんとなった、あるとだったが、すぐに頷いた。