宇宙で一番☆幸せな政略結婚
そんな母が亡くなって、しばらくは、あるとと宗一郎と2人で生活をしていたが、宗一郎が遠出をすることも多くあり、やはり母親が必要だと思って宗一郎はお見合いで再婚した。
再婚相手は、夫と死別していて、あるとより2つ年上の女の子がいた。
顔合わせをしたときは、とても仲良くなり、これなら大丈夫と思い宗一郎は再婚した。
だが・・・
継母は、宗一郎がいる時は優しい母親だが、いない時には態度が豹変して、あるとに虐待をしていた。
実の娘には、いつも温かいご飯と美味しい料理を作って一緒に食べていたが、あるとには冷たいご飯と残り物しか与えなかった。
酷いときは卵ご飯だけで、いつも、あるとはお腹を空かせていた。
時々、仲の良い友達の家の家族が、あるとが酷い怪我をしているのを見て心配して宗一郎に話すこともあった。
そして顔色が悪いあるとを見て、ご飯をご馳走してくれたり、古い服を着せられている、あるとを見ておさがりの服を譲ってくれたりしていた。
しかし、それを知ると継母は酷く逆上して、あるとに暴力を振るうようになり、それから、あるとは人から親切にされると怖い思いをすると思い込んでしまい、受け取らなくなってしまった。
あるとがやせ細っているのを見て、宗一郎が聞いても、あるとは何も話すことがなかった。
中学校を卒業してからは、あるとはバイトをしてお金をためていた。
大学に進んで社会人になり独り立ちをして、早く家を出てゆこうと決めたのだ。
継母に見つからないように貯金をして、受験勉強もほとんど学校でしていた。
頭の良いあるとは、学校の勉強と少しの補習で希望の大学にもストレート合格した。
継母からの暴力と嫌がらせは続いていたが、バイトをしていて顔を合わせる時間が減り少しは減って来たようだった。