宇宙で一番☆幸せな政略結婚
「見る目がない男が、お前の周りには沢山いたおかげで。俺は、お前と結婚出来たんじゃないか。本当なら、とっくに持っていかれていたと思う」

「そんな事・・・」

「俺、待っている。お前が俺の事、ちゃんと受け入れてくれるまで。だから、もう、別々で寝ようとはしないでくれ。何もしないから、隣にいてくれ」


 そう言う聖竜は、とても真摯な目をしていた。

 嘘ではない。

 本当に愛してくれているんだ。


 もしかしかして私は臆病なだけ?


 あるとは、そう思った。


「あの・・・ちょっとだけ、いいですか? 」

「なんだ? なにかあるのか? 」

「いえ。ちょっとだけ・・・貴方の体に、触れてもいいですか? 」


 照れたように赤くなって、あるとが言った。

「なんだ。いちいち断らなくても、好きなだけ触っていいぜ」

 
 と、聖竜はパジャマのボタンを外してくれた。


 はだけで見える聖竜の体をみると、あるとの胸が高鳴った。

 初めて見るはずなのに、何だか懐かしい感じがして・・・。


 そっと、聖竜の胸に触れてみたあると。

 見かけ以上にがっちりしていて鍛えているような、聖竜の体は、とても温かくてほっとさせられる。

 これが男性の温もりなんだと、あるとは思った。


「なぁ、お前の体にも触っていいか? 」

 一瞬戸惑ったあるとだが、こくりと頷いた。


 スーッと、聖竜の手がパジャマの下から入ってきて、あるとの胸に触れた。

 触れられた手の感触を感じると、あるとの胸が大きく高鳴った。

 まるで喜びを感じているようだ。

 触れてくれているだけなのに、こんなに嬉しいのはなぜだろう?


 あるとの内側から、何かが込みあがって来たが、それが何なのかあるとには分からなかった。

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