宇宙で一番☆幸せな政略結婚
あれから「大好きな人」からの電話は少し減っていた。
お互い結婚しているんだから、そうそう続かないだろう。
結婚して2ヶ月。
もしかしたら「大好きな人」は、家族が増えているかもしれないなぁ・・・。
そんな事を考えていたあると。
「ふーっ・・・」
家事を一通り終えて、あるとはリビングで一息ついた。
なんだか熱っぽくて、体のだるさを感じたあると。
「あるとちゃん、いる? 」
聖香がやって来た。
「あら、あるとちゃんどうしたの? 具合でも悪いの? 顔色悪いわよ」
「すみません、ちょっと疲れてしまったようで」
「まぁ大丈夫? 最近寒くなってきたから、風邪かしら? あ、これもらったの。一緒に食べましょう」
聖香がりんごを剥いて持って来てくれた。
「美味しそうなりんごですね。頂きます」
聖香とあるとは、一緒にりんごを食べ始めた。
りんごを一口食べたあると。
すると、急に吐き気が襲ってきた。
「どうしたの? あるとちゃん」
「すみません・・・」
口を押えたまま、あるとは洗面所へ向かった。
吐き気は治まったものの、なんだか胃の辺りがムカムカしていた。
「あるとちゃん、大丈夫? 」
心配して聖香が来てくれた。
「大丈夫です。何か、食べ過ぎてしまったようで・・・」
胃の辺りを押さえているあるとを見て、聖香はもしや? と目を開いた。
「あるとちゃん、病院行った方が良いわよ」
「大丈夫ですよ、少し寝たら治りますから」
「ううん、絶対病院行くべきよ」
「え・・・」
聖香はそっと、あるとのお腹に触れた。