宇宙で一番☆幸せな政略結婚
「ここ、できたんじゃない? 」
「え? 」
「そうだと思うの。もうそろそろ、来てくれても良いときだものね」
嘘? まさか・・・。
あるとは一物の不安がよぎった。
聖香に言われて、とりあえず検査薬を買って試してみようと、あるとは検査薬を買いに行った。
検査薬を試してみると・・・くっきり陽性反応が出た。
「そんな・・・」
陽性反応を見て、あるとは真っ青になった。
妊娠している。
でも、聖竜の子供じゃない。
だって聖竜とは一度も関係を持っていない。
だとしたら・・・
ズキンと、頭に痛みが走り、あるとは頭を押さえた。
思いだされたのは、気づいたらシティーホテルのベッドで寝ていた時の事。
隣には誰もいなかったが、シャワーの音がして誰かが居たのが分かった。
椅子には自分の服と、男性の服がかかっていたのを覚えている。
その状況から、あるとは知らない男性と一夜を共にした事は把握した。
そして・・・電話がかかって来た「大好きな人」が、その夜一緒にいた人であることが断定できた。
「まさか・・・」
すっかり記憶から消えている事。
あの夜、一線を越えていたとして、避妊していたかなんて覚えていない。
酔った勢いで、なりゆきのままだったから・・・。
「どうしよう・・・」
名前も知らない人。
でも、相手も結婚して新しい家庭を築いている人。
妊娠した何て言えるわけがない。
まだ、本当に「大好きな人」がその夜の相手だったとは確定していない。
どうしよう・・・。
妊娠しているかもしれないって、聖香には気づかれている・・・。
でも聖竜の子供じゃない。
結婚して2ヶ月。
今更関係を持ったところで、ごまかせる事じゃない・・・。