宇宙で一番☆幸せな政略結婚

 とりあえず、あるとは病院に行き本当に妊娠しているのかどうかを検査してもらう事にした。

 検査薬でも間違いはあるから。


 間違いであってほしい。

 そう期待しながら午後の病院へ向かったあると。





 産婦人科には沢山の妊婦が居る。

 お腹がまだ目立っていない初期の妊婦から、お腹が大きく臨月を迎えている妊婦までたくさんいる。

 そんな中でまっているあると。




 順番が回ってきたあるとは診察室に入った。



 診察が終わり結果を聞くと・・・

「おめでとうございます。妊娠9週目ですよ」

 優しい女性の先生が答えてくれてた。


「9週目ですか・・・」

 その数字を聞いて、間違いなくあの夜の子供だと、あるとは確信した。


「9週目ですと、3ヶ月に入りますので、母子手帳をもらっていて下さいね。悪阻も酷くなると思われます、これから寒くなるので体を冷やさないように気を付けて下さいね」


 嬉しい筈の妊娠なのに、あるとには重かった。


 そう、体の関係を持てば妊娠のリスクはあって当たり前である。

 でも覚えていない相手の子供なんて・・・。


 どうしよう・・・どうしよう・・・

 重い気持ちのまま、あるとは帰宅した。


 帰宅する途中で、母子手帳をもらってきたあると。


 産むかどうか決めていないけど、母子手帳は必要だからと思ったのだ。


 可愛いパンダの親子の絵柄が表示になっている母子手帳。

 真新しくて何も書かれていないけど、見ていると何となく安心できる。



 まだしばらく妊娠の事は黙っていようと、あるとはきめた。


 
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