宇宙で一番☆幸せな政略結婚
検察局を退職した日。
1人で飲んでいたあると。
突然現れた聖竜と一緒に飲み始めて、とても楽しくなって、だんだん惹かれてしまった。
この人と結婚できたらいいなぁ・・・
ずっと一緒にいられたらいいなぁ・・・
そんな想いが溢れてくるばかりだった。
居酒屋を出ても、離れたくなかった。
でももうお別れだなぁ。
そう思っていたら。
まだ一緒にいたいと言われて、聖竜と一緒にホテルへ向かった。
2人きりになり夜景を見ていると、あるとは、この人に抱かれたいと思って自分から服を脱いだ。
服を脱いでみたが、傷だらけの体に、急に恥ずかしさを感じたあるとだったが。
傷だらけのあるとを、聖竜は優しく抱いてくれた。
(会えなくても愛しているから)
聖竜はそう言った。
その声は確かにあの電話の主と同じであり、よく聞くと聖竜と同じである・・・。
唇が離れると、あるとはじっと聖竜を見つめた。
「・・・思い出しました。・・・あの夜の事・・・」
「え? 本当? 」
「はい、確かに貴方でした。・・・あんな傷だらけの私を受け入れてくれて・・・」
あるとは辛そうに視線を落とした。
「もう傷だらけじゃないだろう? 」
優しい聖竜の声が、あるとの胸にキュンと響いた。
「はい・・・」
小さく答えるあると。
「何も心配するな、俺がずっと護るから。二度と、お前の事傷つけさせないから」
嬉しくて感無量になったあると。
言葉は探せなくて、頷くしかできなかった。