宇宙で一番☆幸せな政略結婚
心地よい日差しが入る窓際で、白いカーテンが揺れている。
望も陽花里もぐっすり眠っている。
ソアファーでゆっくりくつろいでいる、あるとがいる。
「あると、2人共寝たの? 」
聖竜がやって来た。
実は現在、聖竜は育児休暇をとっている。
イクメンパパの聖竜は、育児休暇を申請した。
半年ではあるが、子育てに専念したいと希望したのだ。
その為時間も余裕があり、こうしてあるとと2人の時間も沢山作ることが出来る。
「なんだか、あっという間に色々な事が過ぎ去って行った感じがする。でも、貴方と出会わなかったら、今の私はいなかったのね。・・・ずっと、長い間。暴力に怯えていたから」
「その話し。実は、あるとのお父さんから聞いていたんだ」
「え? 知っていたの? 」
「だって、結婚式の時もメイクで隠していても目の痣分かったし。どうして、あるとが怯えた目をしているのか知りたいって思ったんだ」
聖竜はそっと、あるとの手に手を重ねた。
「あるとのお父さん、全部知っていたよ。義理のお母さんから虐待されていた事も、義理のお姉さんから酷い事されていたのも。いつも聞いても、あるとは何も話してくれなかったって言っていたけど。お父さん、何とか止めなくちゃと思っていたらしい。それで、あるとが義理のお姉さんから頭を怪我させられた時、これはもう限界だって思ったらしい。それで結婚させることを考えたんだけど、普通の一般家庭じゃ義理のお姉さんが、着きまとう事も想定されるから。お金持ちで、しっかりしている家に嫁がせたかったって言っていたよ。俺の家には、お手伝いはいるし、SPだってついているから安全だって思ったようだよ」
「お父さん、そんなところまで考えていたのね・・・」
「結婚式まで会わない、写真も見せないって条件は。あるとの傷だらけの姿を、見せたくなかったからって言っていた。無茶な事言っているようで、ちゃんと考えているんだって。すごく尊敬したよ」
ギュッとあるとを抱きしめる聖竜。