宇宙で一番☆幸せな政略結婚
2章
スッと、視線を落とすと女性は着ていたジャケットを脱いだ。
聖竜はまたドキっとした。
ジャケットを脱いだ女性は見るからに、とても痩せているのが解る。
聖竜がドキドキしていると、女性はそのままブラウスを脱いだ。
ブラウスを脱いで、可愛いキャミソール姿になった女性を見て、聖竜は驚いて息を呑んだ。
女性の体は酷く傷だらけだった。
服で隠れる部分には、何かで殴られた跡が無数にあり痣になっている。
腕にも強くつねられたのか、無数の痣だらけ。
中には切られた傷もあった。
どうしたの? と聞きたくても聞けないくらい酷くて、その痛みは聖竜にも伝わるくらいだった。
「あの・・・」
すーっと、女性は聖竜の手を握った。
その手は微かに震えていたが、とても暖かくて心地よかった。
「話よりも・・・。今夜だけでいいので・・・私の事、抱いてもらえませんか? 」
震える声で女性が言った。
驚いた聖竜はすぐに言葉が出てこなかった。
沈黙が続いて、スッと女性の手が離れて聖竜はハッと我に返った。
「ごめんなさい、嫌ですよね。こんな傷だらけの体なんて・・・」
女性がブラウスを拾いあげようとした時・・・
ギュッと、聖竜は女性を抱きしめた。
広くて大きな腕で抱きしめられ、女性は驚いた目をした。
「何言っているんだよ。綺麗すぎて見惚れていたんだ。・・・嫌なもんか・・・」
耳元で囁かれ、女性はギュッと聖竜の手を握った。
そのまま聖竜は女性の唇にキスをした。
唇が重なると、全身が喜びを感じた。
探るようなキスから、深く求め合うキスを繰り返して・・・。
唇が離れると、聖竜は女性抱きかかえてベッドへ運んだ。