たったひとこと
「告白もしてないのに失恋ってなんだよ。」

竜之介が冷静になって聞く。

「いつもの喧嘩がいつもと違うっていうか、いつもなら言い返す所、言い返せない…イライラというよりモヤモヤ?」

陽菜が言う。

「それは、恋かも!じゃなくて失恋なの?」

「うん…ずたぼろ。」

「何言われた?」

ちょっと心配そうに竜之介が聞く。

「おばさんが…冗談で直希のお嫁さんは陽菜ちゃんねって言ったらお断りだって…」

「…恥ずかしかっただけだろ!?からかわれて。…ってか、それだけ!?」

「陽菜はうるせぇ、ずうずうしい、可愛いのは名前だけ、って。」

「ガキの喧嘩かよ!!」

竜之介は呆れる。

「最近機嫌悪いし…」

陽菜が呟く。

「一番引っかかったとこは?どこなわけ?」

「それは…」

「おばさんの言葉に対しての直希君の反応だろ!?」

「ゔっ…ん、かな?」

「かな?っじゃねぇよ。」

「はい…」


正座して俯く陽菜。

年下に説教される図。
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