たったひとこと
「帰ろうかなぁ…でも、暇だしなぁ…しょうがないっ、行ってやるか!」

陽菜が独り言を言いながら直希の試合に向かおうとしていたとき、

後ろから荷物を大量に抱えた男性と、モデル風の女性が近付いてきた。

そして、2人が陽菜を追い越しざまに男性の大量の荷物が陽菜にぶつかり、

一人ぶつぶつ言いながら歩いていた陽菜は横に振っとんで倒れた。

「痛…い〜」

小さい声で呟く。

それに気づいた男性は、大量の荷物を道端に置き陽菜に駆け寄る。

「ごめん!ごめんね?大丈夫!?」

すごく心配そうにする男性。

陽菜は倒れたときについた手が擦りむいていた。

「大丈夫です、大丈夫。ぼうっとしてた私が悪いですから。ごめんなさい。」

陽菜は笑顔で立ち上がる。

「じゃ!!」

陽菜はその場を立ち去ろうとする。
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