たったひとこと
「遥華さんみたい…に?」

陽菜は呟いた。

遥華の視線はまたも慎吾に向けられていた。

陽菜は遥華が気持ちを口にしないのは、慎吾のためであり、遥華自身のためでもあることになんとなく、気付いてしまっていた。

自分の事はわからないのに…。

陽菜は自分自身の事への鈍さにため息が出た。

それより、2人には幸せになってほしい陽菜だったが、初対面の大人に余計なことは言えず、子供な自分がお節介なことは出来なかった。


その日はまた会う約束をして別れた。


陽菜に大人の友達ができた日。
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