たったひとこと
「そこで三振でもしてれば、今頃私は疫病神扱いだったんでしょうね。」

陽菜は歩きながら竜之介に指摘する。

「そんな事…ないよ。」

「なに?その間は!お母さん、竜ちゃんをそんな子に育てた覚えはないわよ。」

「育てられた覚えねぇよ、いつから俺の母ちゃんになったよ?」

「お母さんじゃなくても、お姉ちゃんのつもり。直希はお兄ちゃんのつもりだろうし、舜は弟のつもりよ?」

「なんだよ…急に。」

「だから…嬉しいって事!よかったね〜さすが、我が弟よ!」

「急にしみじみしたかと思えば、最後の言葉に全く気持ちがこもってないんですけど?!
棒読みかよっ、台本どこ隠した?」

2人のふざけたいつもの会話。

なんだかんだで、みんな仲がいい。
< 44 / 59 >

この作品をシェア

pagetop