たったひとこと
「直希君!」

竜之介が直希の後ろ姿に声をかける。

「おぅ、今帰りか。」

直希が振り返り竜之介に言う。

その隣に陽菜を見つけ、

「竜の邪魔でもしてきたのか?」

嫌みを言う。

「しっ…してないわよ。」

陽菜は元気なく言う。

その様子を見て直希は、まずかったか…?というような顔をした。

「陽菜ちゃんとは、そこで会ったんだ。直希君の試合結果聞いたんだけど、知らないって…。」

竜之介は直希を気遣い声を発した。

「今日は来てなかったよな、珍しく!」

直希は陽菜に向かって言う。

「私だって…いつもいつも暇じゃないんだから。」

陽菜が言う。

「直希君、陽菜ちゃんはいつも通り超ヒマで、応援しに行こうとしてたんだよ?途中…なんだっけ?」

竜之介が真相を語ろうとする。

「竜ちゃん!作り話はやめてよ。」

陽菜が竜之介を黙らせようと竜之介の口に手を持って行った。
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