たったひとこと
「どうしたんだよ!」

直希が陽菜の、包帯の巻かれた手に気付き、声を上げる。

「どうしたの?!気付かなかったよ。」

竜之介も驚きの声を上げる。

「ちょっと…転んだだけだよ!手当してくれた人が大袈裟なだけで…ほんとに!かすり傷なんだから!」

陽菜は慌てて説明する。

直希は包帯の巻かれた陽菜の手をつかんで、

「ぼぅ〜っとしてたんだろ、気をつけろよ?」

安心した表情で優しく言う。

「うん…」

陽菜は素直に返事する。
< 48 / 59 >

この作品をシェア

pagetop