たったひとこと
「あっ……。」

陽菜はお隣の窓に竜之介をみつける。

「竜ちゃん!竜ちゃん!!」

陽菜に気付いた竜之介は窓を開ける。

「なに?なんか用?」

「竜ちゃんも部活休みなんでしょ?」

「テスト前だからね。竜ちゃんもっ…てなんだよ、もっ…て!」

「直希が一緒に勉強しようって。」

「へぇ…、よかったじゃん。」

「よかった?竜ちゃんもおいでよ。」

「いいよ…」

「なんで?」

「邪魔しちゃ悪いし。」

「全然?おいでよ。」

「俺、一年だし。」

「教えてあげるよ?」

「いいよ、自分でやるし。」

「私勉強はまぁまぁ出来るのよ?」

「知ってるよ。」

「おいでよ。」

「…………。」

「ねぇ。」

「…………。」

「ねぇ。」

「…………。」

「お昼カレーだよ?」

「……………行こうかな。」

「おいで。」
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