君と夏と恋
やはり、電車内は涼しかった。
逆に、汗が冷やされて寒くなるのではないか とも思われた。
空いた席を見つけ、座ると発車のアナウンスが流れ、電車は動き出した。
ふと、目線を上げる。
目の前の男子高校生は、私より2つ前の駅でいつも降りている。
流石に、3年間もほぼ毎日乗っていれば、大体の人の顔は覚える。
その男子高校生はいつも片手に本をもち、ウトウトしている。
今日もまた、ウトウトしていた。3年も乗っていて初めて、彼の向かいの席に座った。
彼は始発からなのか、いつも同じ席に同じ格好で座っている。
いつもウトウトしているので、あまり起きている顔を見たことがない。
制服を見る限り、彼もまた県内では評判の良い進学校だった。
いつものごとく、私は耳にイヤホンをつけて音楽を聞いて過ごしていた。
曲を変えようと、携帯をいじっていたその時、急ブレーキで電車が止まった。
目の前に彼の本が飛んでくる。とっさにキャッチして、そのまま窓の外を覗いた。
電車は止まっていた。
それも、トンネルとトンネルの間の緑の真ん中で。
車内がざわつき始める。
3年間で初めての出来事だった。
地元でも、トラブルが起きたことなど聞いた事がなかった路線であったため、余計に驚いた。
ふと気が付く。
手には携帯と本。
目の前を見る。このでも状況で彼は気持ち良さそうに寝ていた。
手は本を持っている形のままだった。
すると、場内アナウンスが流れた。
「申し訳ありません。ただいま、この電車は急なトラブルで停車いたしました。お急ぎのところ、大変ご迷惑をおかけいたしております。皆様、落ち着いてお待ちください。」
こんなとき、田舎のいいところは、誰も声を荒らげず、安堵の声や、周りの人、老人の方を気遣う声があちらこちらで聞こえるところだ。
しばらくすると、それぞれが携帯で会社や家族などに連絡を始めた。
とりあえず、この状況を彼に伝えなくてはならない。
ほおって置くか迷ったが、彼も学校に連絡をしなくてはいけないだろうし、総合的に考え、起こすことにした。
逆に、汗が冷やされて寒くなるのではないか とも思われた。
空いた席を見つけ、座ると発車のアナウンスが流れ、電車は動き出した。
ふと、目線を上げる。
目の前の男子高校生は、私より2つ前の駅でいつも降りている。
流石に、3年間もほぼ毎日乗っていれば、大体の人の顔は覚える。
その男子高校生はいつも片手に本をもち、ウトウトしている。
今日もまた、ウトウトしていた。3年も乗っていて初めて、彼の向かいの席に座った。
彼は始発からなのか、いつも同じ席に同じ格好で座っている。
いつもウトウトしているので、あまり起きている顔を見たことがない。
制服を見る限り、彼もまた県内では評判の良い進学校だった。
いつものごとく、私は耳にイヤホンをつけて音楽を聞いて過ごしていた。
曲を変えようと、携帯をいじっていたその時、急ブレーキで電車が止まった。
目の前に彼の本が飛んでくる。とっさにキャッチして、そのまま窓の外を覗いた。
電車は止まっていた。
それも、トンネルとトンネルの間の緑の真ん中で。
車内がざわつき始める。
3年間で初めての出来事だった。
地元でも、トラブルが起きたことなど聞いた事がなかった路線であったため、余計に驚いた。
ふと気が付く。
手には携帯と本。
目の前を見る。このでも状況で彼は気持ち良さそうに寝ていた。
手は本を持っている形のままだった。
すると、場内アナウンスが流れた。
「申し訳ありません。ただいま、この電車は急なトラブルで停車いたしました。お急ぎのところ、大変ご迷惑をおかけいたしております。皆様、落ち着いてお待ちください。」
こんなとき、田舎のいいところは、誰も声を荒らげず、安堵の声や、周りの人、老人の方を気遣う声があちらこちらで聞こえるところだ。
しばらくすると、それぞれが携帯で会社や家族などに連絡を始めた。
とりあえず、この状況を彼に伝えなくてはならない。
ほおって置くか迷ったが、彼も学校に連絡をしなくてはいけないだろうし、総合的に考え、起こすことにした。