幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
プロローグ
眠りを知らない街が私の住処。街は眩しいネオンで彩られているけど、それはまやかしに過ぎない。
真の街の姿は沢山の人間のどす黒い欲望で渦巻いた混沌とした世界。
今日も男の欲を満たし、大切な何かを失っていく。
親の諸事情により、私は生まれながら戸籍がない。
この国に存在していない人間。
戸籍もなければ、学歴もない。
昼間、取り留めない会話で盛り上がる学生らしき人達を見ると羨ましい。
歳も近いと言うのに、なんだろうこの差は・・・
皆はキラキラして、夢と希望で胸がいっぱいだと言うのに。
私の胸は絶望で溢れていた・・・
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