幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「父さんは俺を庇って死んだ賀集さんの弟の剣吾さんに小切手を渡して、金で解決しようとした。それと同じだ…それの何が悪いんだ?父さん」
「蒼斗・・・」
「いいか?俺の仕事に口出しをするなっ」
「蒼斗…私達は貴方のコトを心配して・・・」
「俺のコトはいいんだよ・・・俺が居なくなった時、桜と子供を助けてくれればそれでいい」
俺があの時、死ねば良かった。
賀集さんは俺を庇って殉死して、その為に剣吾さんは・・・
彼が『王龍』に入ったのは全部兄の敵を取る為だ。
その為に、彼は無益な殺生を繰り返している。
「この話はこれでおしまいだ。
折角、美味い料理を食べるんだ。久しぶりに会って、こんな話はしたくない」
「そうだな・・・」
「桜さんも居るコトだし、この話は止めましょう」