幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
リアルフェイス

桜side-

蒼斗さんは賀集さんのコトを訊いても、全く教えてくれなかった。
蒼斗さんの仕事仲間のブル―さんなら何か知っているかもしれない。

私は彼に自分から連絡した。
ブルーさんは賀集さんのコトを知っていた。

詳しい話を訊く為に、蒼斗さんが仕事中に外出。
『ドラゴンホテル・東京ベイ』のロビーで待ち合わせをした。

このホテルには来るのは二度目。

厚みのある緋色の絨毯に豪奢なシャンデリア。

全面硝子に囲まれたカフェテリアから見える東京湾は圧巻だった。

「お待たせしました。桜さん」

「こちらこそ・・・忙しいのにすいません・・・」

「いいんですよ」

彼はサングラスを外し、青い瞳で私を見つめ、優しく微笑み掛けた。

「では、カフェでコーヒーを飲みながら、話しましょうか・・・」

「はい、お願いします」

「入り口はこちらです。桜さん」

ブルーさんは私をカフェへと案内した。




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