幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
彼の選んだテーブル席は外のテラス席。

そよ風が潮の香りを運び、彼の長めのブロンドの前髪を揺れていた。

「蒼斗さんが所属する部署は『公安』のその中でも秘密組織とされている「BP」ですよ」

「『BP』??」

「彼らが相手するのはが主に国の治安を乱すテロ組織やマフィアと言った所でしょうか・・・一般の人間には彼らの存在は余り知られていません」


「これからは貴方の質問に私が知る限り、答えますので、どうぞ訊いて下さい」

ブルーさんはブラックのコーヒーを口に含み、笑顔で浮かべた。

「賀集さんと言う方は知ってますよね・・・」

「はい、賀集さんは彼の教育係でした。
私も顔を知ってます。
でも、彼は蒼斗さんを庇い『王龍』の幹部に撃ち殺され、殉死しました」

「殉死・・・ですか?」

「はい・・・彼には確か同じ『BP』の弟が居ました」

「その弟さんは今も・・・『BP』居るんですか?」

「居ませんよ…彼は『BP』を抜けました」

「蒼斗さんは『王龍』恐ろしい組織だと言っていました・・・ブルーさんから見ても事実ですか?」



まぁ、私も同僚の件もあるし、関りは持たない方がいいと思うけど。

「・・・彼らは私のお得意様ですし、下手なコト言えませんが・・・そりゃまぁここだけの話・・・怖い組織ですね」

ブルーさんは声をくぐもらせ、そっと私だけ呟いた。

私もストローでオレンジジュースを啜った。

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