幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
翌朝、彼女の意識は回復して、『ICU』から特別室へと移動した。

「桜・・・」

「蒼斗さん貴方の仕事のコト・・・賀集さんから訊きました」

「そっか…君に全てを隠す必要もないんだな」

どんな形で、剣吾さんと接触したかは訊いていないけど。

桜は全部彼から訊いたんだ・・・

「貴方は『BP』の所属で、公安の中でも秘密の組織に属しているんですね」

「そうだよ・・・俺が『王龍』追っかけるきっかけは賀集さんが俺の代わり殉死した後から始まった。
歌舞伎町ではブルーと言う名前の情報屋として金髪にブルーのカラコンを入れて、外人に変装して、『王龍』の動きを探っていた」

「えっ?」

桜の瞳が点になった。

「どうした?」

「蒼斗さんがブルー?ブルーは賀集さんかと思っていた・・・」

「!?剣吾さんはブルーに変装して、桜に近づいて来たのか?」

桜はコクリと頷く。

「・・・ブルーは私の王子様よ」

「!?」

「私をヘルス嬢と並行してぼったくりバーで働いていたの・・・でも、そのバーに警察が来て・・・」

「・・・そっか・・・桜はあの時の・・・」

「私をかくまってくれたのは・・・蒼斗さん?」

「そうだけど・・・」

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