幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「王子様か・・・」

風俗嬢の仕事をしてたクセに、桜の心はピュアだった。

「・・・桜の意識がこのまま回復しなかったら、どうしようかとずっと思っていた。
一人の女性をこんな風に気に掛けたのはのは桜が初めてだ。
俺・・・昔誘拐されたコトあって・・・俺の犯人から救ってくれたのが賀集さんだったんだ。
幼いながらも俺に為に自分の命を顧みず、犯人に立ち向かって賀集さんがカッコよく見えた」

「それが「BP」に入ったきっかけ?」

「そうだ・・・でも、俺は賀集さんのようにはいかなかった」

「蒼斗さん・・・」

「少しでも、賀集さんに近づこうと努力はしたけど」

「・・・」

「『王龍』は怖いけど・・・それ以上に・・・桜をもっと失うのが怖かった。

俺は桜を離したくない・・・
ずっとそばにおきたいんだ桜・・・」

鎧を全て脱ぎ捨てた俺は素直にキモチを彼女に伝えた。


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