幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
代償
「蒼斗…さん」

「桜・・・」

蒼斗さんの切なさと愛しさを込めた甘い声が鼓膜と心に響き渡る。

「私は・・・」

「愛してる・・・」

蒼斗さんの方からそっと手を握りしめ、素直なキモチを言葉にして伝えてくれた。

「・・・私も愛しています」

「そっか…ありがとう。こんな情けない俺を愛してくれて」

「情けないって…そんな風に自分を悪く言わないで下さい。蒼斗さん、貴方は素敵な男性です」

「桜は優しいね・・・」

「蒼斗さんこそ・・・」

私の中に芽生えた小さな命は失ってしまったけど。
その代償に私は蒼斗さんの愛を手に入れた。
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