幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「ほら、出来たぞ」

彼は私の為に生姜と蜂蜜のホットドリンクを作ってくれた。

「温かいうちに飲めっ」

「ありがとう…」

私は彼の作ったドリンクを喉に通す。

「本当はレモンも入れたかったんだけど…生憎、レモンがなくて…」

「別にいいです…これでも十分に飲めます」

すりおろした生姜の匂いが鼻腔を擽り、口内には蜂蜜の程よい甘さが広がった。

「カラダを温めれば…少しは眠くなるかもしれないと思って…」

「ありがとう…蒼斗さん」

私はゆっくりと味わいながらドリンクを啜る。

「俺以外のオトコには隙を見せるなよ…桜」

彼は私の髪を優しく撫で、そう囁いた。

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