幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
桐生会長は後ろに控えていた男性を命じた。男性は持っていたアタッシュケースをローテーブルにおいて、蓋を開けた。
今まで、お目にかかった事がない札束がぎっしりと詰まっていた。
「これは手切れ金だ。一億円ある。足りなければ、二億まで上乗せする」
私を一億円でお払い箱にしようとしている。
「・・・愛し合った者同士。別れるのは辛いだろう。
しかし、これからもっと辛くなるぞ。
蒼斗は今公安の仕事をしているが、いずれは父親が取締役を務める『ブラックベリー』の後継者に就く。その時、妻の君が元風俗嬢だったと世間様が知ったら、どうなる?」
「・・・」
「君も傷つくし、蒼斗だって傷つく。一週間の猶予を遣るから…考えてくれ…」
会長は一億円の入ったアタッシュケースを置いて、帰ってしまった。
孫である蒼斗さんを想っての事。
私はアタッシュケースを眺め、考え込んだ。
今まで、お目にかかった事がない札束がぎっしりと詰まっていた。
「これは手切れ金だ。一億円ある。足りなければ、二億まで上乗せする」
私を一億円でお払い箱にしようとしている。
「・・・愛し合った者同士。別れるのは辛いだろう。
しかし、これからもっと辛くなるぞ。
蒼斗は今公安の仕事をしているが、いずれは父親が取締役を務める『ブラックベリー』の後継者に就く。その時、妻の君が元風俗嬢だったと世間様が知ったら、どうなる?」
「・・・」
「君も傷つくし、蒼斗だって傷つく。一週間の猶予を遣るから…考えてくれ…」
会長は一億円の入ったアタッシュケースを置いて、帰ってしまった。
孫である蒼斗さんを想っての事。
私はアタッシュケースを眺め、考え込んだ。