幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「剣吾さん…隣の方は?」

「あ…桜華の新しい世話人ですよ…」

「私は玉城桜です…」

「桜さん…ですか…初めまして。桜華(オウカ)です」
中華風の名前であるが、彼女は日本語が達者だった。

「では、私は事務所に戻ります。桜さん、桜華を頼みますね…」

「!!?ちょっと待って下さい!?」


「夏目の元には帰れないでしょ?衣食住は保証しますよ…桜華はこの通り、車椅子の上、身重です…」

身重って、じゃ桜華さんのお腹の膨らみは…

蒼斗さんの子かもしれない子供奪っておいて、自分の子供は…

「何か言いたい事があるようですね…」

「・・・いえ」

私は口を噤んだ。

彼はさっさと私を置いて、出て行ってしまった。



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